所属する人材紹介会社が、あなたのAI活用を妨げていませんか?

この記事は英語の記事を日本語にしたものです。英語の原文

クライアントから「Slackでやり取りしたい」と言われます。ところが、Slackの利用が承認されるまでに1週間かかります。

会話に集中できるように、会議の文字起こしツールを使いたいとします。これにも承認が必要です。事務作業を何時間も減らせそうなツールを見つけても、メールやカレンダー、CRMと連携させるには、また別の審査を通さなければなりません。

どれも、リクルーターがクライアントに対応し、自分の仕事を片づけるためにやりたいと思う、ごく普通のことです。

大手で働くリクルーターから何度も聞くのは、「Copilotなら使っていいことになっています」という答えです。

そのうえで、ほとんど役に立たないと言います。会社が用意した環境では、実際に必要なものの多くとつながっていないからです。情報を探し、コピーして貼り付け、システムを更新するのは、今も自分たちでやっています。

AIを使える環境はあるのです。ただ、それで仕事の多くをこなすことはできません。

ガバナンスが行き過ぎていて、手続きで身動きが取れなくなっています。

その一方で、規模の小さい非上場の会社は、システムをつなぎ、ワークフローを試し、実際のサーチで使っています。承認待ちで足止めされている優秀なリクルーターなら、これが自分のキャリアにとって何を意味するのかを考えるべきです。

リクルーターに実際に許されていること

人材紹介業界では、上場企業の一部と非上場企業の一部の間に、大きな溝が広がりつつあると感じています。

これは、私がいろいろな人と話す中で聞いていることです。上場企業はどこも動きが遅く、非上場企業はどこも先を行っている、という意味ではありません。大手には大きなテクノロジー予算があり、優秀な人材がいて、小さな会社なら背負うことのない責任も抱えています。

ただ、本社がAIに投資しているからといって、普段の火曜日の朝にリクルーターが実際に何をしてよいのかは、それだけではほとんど分かりません。

上場企業のリクルーターと話すと、とんでもない壁があるという話をよく聞きます。非上場の会社にいる人たちには、試してみて、何がうまくいくかを見極め、実際の仕事に取り入れる余地がもっとあります。

承認済みのAIサブスクリプションがあるのは、出発点にはなります。AIがずっと役に立つようになるのは、毎日使っている情報やシステムを直接扱えるようになったときです。

実際のサーチ要件に照らして、クライアントのリサーチができますか。自分のメモや通話の文字起こしを使えますか。候補者のブリーフィング資料を作り、パイプラインを更新できますか。候補者をリサーチするときに、クライアントとの打ち合わせで分かったことを使えますか。

それとも、今もウィンドウの間で情報をコピーし、AIにはメールの書き直しを頼むだけで、また同じ手作業に戻っているでしょうか。

会社がAIについて熱心に語る一方で、リクルーターは以前とほとんど同じやり方で仕事を続けたまま、ということもありえます。

先日、RPOの案件を担当しているリクルーターから、実質的に使えるのはLinkedInとスプレッドシートくらいだと聞きました。多少大げさに言っていたのだと思いますが、考えさせられるくらいには本当の話でした。

この人は、大手RPO会社の一つで働いています。外から見ると、使えるテクノロジーでは競合より先を行っているように見える会社です。それなのに、その人が話す日々の仕事の様子は、私がRPO事業を運営していた頃に見ていたものと驚くほど同じでした。

RPOのリクルーターは、クライアント側のシステムや制約の中で働いていることもあります。そのせいで変えにくい面もあるでしょう。それでも、採用を担う人が今も一日中LinkedInとスプレッドシートの間で情報を移しているなら、実際にはどれだけ良くなったと言えるでしょうか。

会社が持っているテクノロジーと、そこで働くリクルーターが使えるテクノロジーは、まったく別物であることが多いのです。

Aspiring Partnersで私たちがしていること

TalentHubは私たち自身のプラットフォームです。ワークフローの一部として、メール、カレンダー、メモ、通話の文字起こし、そしてクライアントや候補者ごとのDriveフォルダにあるファイルを読み書きします。

さらに、自社のMacネイティブアプリもあり、数多くのプロセスを動かしています。Apple、Google、Anthropic、OpenAIを組み合わせ、適した場面ではGrokも使っています。

モデルが変わるたびに、テストします。何が得意で、どこが足りないのか、特定のプロセスを動かすモデルを替えるべきかどうかを確かめます。

一つのプロバイダーを選んで、それがずっと最善だと決めつけることはしません。必要な仕事に照らして、テストを続けています。

ClaudeとTalentHubをつなぐMCPツールは数百あり、これからも増えます。作ったカスタムエージェントの数は、もう数えきれません。

これらのワークフローで、求人の追加、クライアントのリサーチ、候補者のブリーフィング資料の作成、パイプラインへの候補者の追加をしています。会話で得た情報は、誰かが探してコピーし、一から説明し直さなくても、サーチの次の段階で使えます。

確認し、直し、改善すべきことはまだたくさんあります。それでも、私たちはこうしたプロセスを実際の仕事で動かし、その結果から学んでいます。

毎日これらのツールを使っている人たちは、使い方がどんどんうまくなっています。何を信頼してよいか、何を確認すべきか、どのプロセスに人が関わる必要があるかを学んでいるのです。

許可を待っているリクルーターは、ツールですぐに得られるメリットだけでなく、こうした経験も逃しています。

PCとCRMの管理だけでは、もう足りません

多くの人材紹介会社は、PCの管理、CRMの運用、アクセス管理、セキュリティの維持を中心にIT部門を作ってきました。

その仕事は今も大事です。ただ、これからはAPIやAIモデル、エージェントを理解している人が必要です。システムのつなぎ方を知っていて、結果を評価し、プロセスがうまくいかなかった原因を突き止められる人です。

CIOやITマネージャーの中には、これがそもそも自分が身につけてきたスキルの範囲外だという人もいます。

能力はあっても、何よりもセキュリティとガバナンスを優先するよう言われている人もいるでしょう。主に問題を防ぐことで評価されるなら、「ノー」と言うのがうまくなるのも無理はありません。

では、リクルーターがもっと仕事を進められるように手助けするのは、誰の役目なのでしょうか。

人材紹介会社は、人から預かった情報を扱っています。それは守らなければなりません。管理をやめてしまえとか、機密情報を各自が気に入ったツールに入れてかまわないと言っているわけではありません。

ただ、仕事のやり方を試して改善するための、現実的な方法は必要です。

範囲をはっきり決めた小さなテストの承認に何か月もかかるなら、会社はその遅れのコストを計算すべきです。その数か月の間に、ほかの会社は試し、失敗し、直し、良くなっています。

Slackで話したいクライアントにとって、あなたの社内でいくつ承認が必要かは関係ありません。

気にしているのは、あなたと仕事をするのが楽で、役に立つかどうかです。

これはほかの業界にも当てはまります。私が目の前で見ているのが、たまたま人材紹介業界だというだけです。

AIで採用スパムを増やしたくはありません

私たちの次のステップは、アウトリーチの自動化です。

これはまだ自動化していません。私はこれまで経営幹部クラスのポジションに力を入れてきました。こうしたポジションでは、アプローチにかなりの判断力と、その人個人への理解が求められることが多いからです。

でも、組織のもっと下の階層までチームづくりを手がけ、メンバークラスのサーチも増えていく中で、もっと良いプロセスを作れるのに、大量の仕事をリクルーターに手作業でやらせるつもりは絶対にありません。

今は、候補者との関係性に応じて、AIがアウトリーチをどう支えられるかを試しています。私たちをよく知っている人に、私たちのことを聞いたこともない人と同じアプローチをするべきではありません。何を伝えるか、どう連絡するか、そもそも連絡すべきかどうかは、関係性によって変わるべきです。

スパムはすでに人材紹介市場を傷つけていると思います。候補者の受信箱は、同じように注意を引こうとするメッセージであふれています。

求人。求人。求人。求人。

そうしたメッセージを安く作れるようになっても、歓迎されるようにはなりません。

採用はこれから、本人の同意と紹介にますます頼るようになると思います。つまり、相手が自分から連絡を受けることを選んでくれること、相手が信頼している人から紹介してもらうこと、そしてリクルーターが相手の仕事や状況をよく分かっていて、時間を割く価値のある会話ができることです。

AIは、その会話の準備をしたり、相手から聞いたことを覚えておいたり、合わない話を持ちかけないようにしたりするのに役立ちます。

主に、的外れなメッセージをもっと送るためにAIを使うなら、市場を悪くするだけです。

優秀なリクルーターは、このことをもう分かっています。話す価値のある話があるときと、そっとしておくべきときを見極められるからこそ、信頼関係を築けているのです。

あなたのキャリアにとって何を意味するのか

大手の上場企業で成果を上げているリクルーターなら、自分の会社が、あなたが変化に遅れないよう支えてくれているかどうかを真剣に見極めてください。

あなたには、クライアントとの強い関係や深い専門知識があり、あなたを信頼して電話に出てくれる候補者もいるかもしれません。一方で、ほかのリクルーターがすでに自動化を覚えつつあるプロセスに、仕事の時間の多くを使いすぎているかもしれません。

今の売上が良いからといって、それを無視していいわけではありません。

会社には具体的なものを求めてください。実際のワークフローを試せる承認済みの環境、システムの連携を手伝ってくれる人、そしてきちんと使いこなせるようになるための時間です。

そのうえで、どうなるかを見てください。

会社は前に進むのを助けてくれるでしょうか。懸念があればそれを説明し、一緒に解決してくれるでしょうか。それとも、どの提案もまた別の委員会や承認プロセスの中に消えていくでしょうか。

ソフトウェアエンジニアになる必要はありません。ただ、何ができるのか、どんなサポートを期待してよいのかが分かる程度の理解は必要です。

大手の人材紹介会社で働くことには、ちゃんとした理由があります。一人では届かないクライアント、信頼されているブランド、優秀な同僚、研修、頼りになる業務サポートが得られるかもしれません。

良い会社なら、どうやってあなたが仕事で力を伸ばせるようにしてくれるのかを説明できるはずです。

でも、クライアントとの関係も、候補者からの信頼も、専門知識も自分が持ち込んでいるのに、会社がもっと効果的な働き方を学ぶ邪魔をし続けているなら、自分にこう問いかける必要があります。

会社は実際に何を提供してくれているのか?

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