この記事は英語の記事を日本語にしたものです。英語の原文
高い行動量があれば、リクルーターはかなりのところまで行けます。ただ、エグゼクティブサーチに移るには、クライアント、案件、そして私たちが提供すべき価値について、これまでとは違う理解も必要になります。
Aspiring Partners 創業パートナーのマレー・クラークです。日本でエグゼクティブサーチに20年以上携わるなかで、サーチファームの立ち上げに関わり、リクルーターを率い、自分で会社を所有して経営してきました。この転換を見事にやり遂げた人たちを見てきましたし、そのために、それまで身につけたやり方をどれだけ手放さなければならなかったかも見てきました。
参入障壁が低いと、浅い学びが繰り返されやすい
人材紹介業は、比較的参入しやすい業界です。気になっているのは、入ったあとに多くの人がこの仕事のごく狭い一面しか身につけないことです。そこでは行動量の目標がそのままビジネスモデルになっています。求人を受け、データベースを検索し、そのとき動ける人を送り、次の案件に移る、というやり方です。
私はこれを、番号どおりに色を塗るだけの「ぬり絵」型リクルーティングと呼んでいます。いわば御用聞きです。会社がこのやり方を評価していると、クライアントが本当に何を達成する必要があるのかをあまり理解しないまま、忙しく動いて手数料を稼ぎ続けることができてしまいます。
こうした習慣が新しく入った人に受け継がれたり、社内の採用部門(タレントアクイジション)やエグゼクティブサーチに持ち込まれたりすることで、このサイクルは続いていきます。より踏み込んだアドバイザリーの仕事に移れるリクルーターもいますが、まったく違う課題に同じやり方を当てはめ続ける人もいます。
これは、私がこれまで見てきた習慣とインセンティブへの批判です。よく考えて仕事をするコンティンジェンシー(成功報酬型)のリクルーターもいれば、有能なタレントアクイジションのプロもいます。肩書きやフィーの体系を見ても、その人がビジネスを理解できるようになっているかどうかはわかりません。
1年かかった2人のリクルーターは、その後突出した存在になった
RGF Executiveで特に印象に残っているのが、純粋なコンティンジェンシーの会社から来た2人のリクルーターです。2人とも、エグゼクティブサーチのやり方がわかるまでに1年ほどかかりました。私の記憶では、最初の1年は2人とも売上ゼロでした。
仕事を理解してからは、2人ともそれぞれ年間100万ドルの売上を上げるようになりました。もともと行動量は非常に多い2人でした。その努力にエグゼクティブサーチへの深い理解が加わると、あとは2人の野心が引っ張り、一気に駆け上がっていきました。
1人は今、自分の会社を経営していて、先日久しぶりに会えてとても嬉しかったです。もう1人もRGFで同じく突出した売上実績を残しました。ここでは2人とも名前は伏せておきます。
最初の1年は、2人に能力が足りなかったという証拠ではありません。それだけ仕事の中身が大きく変わったということです。また、2人のその後の成果は私が見てきた個別の例であり、どのリクルーターでも同じ結果が出ると約束するものではありません。
出発点が「空きポジション」から「事業の課題」に変わる
取引型の案件では、リクルーターは人事やタレントアクイジションから、要件の決まった求人を受け取ることが多いでしょう。エグゼクティブサーチでは、誰が合うかを判断する前に、CEOやCRO、地域統括のリーダーと一緒に、そのポジションが何を達成しなければならないのかを理解する必要があることがよくあります。
なぜこの事業にこのリーダーが必要なのか。何がうまくいっていないのか。何をつくる必要があるのか。その人にはどんな権限、リソース、サポートが与えられるのか。1年後の成功とはどんな状態なのか。
肩書きと要件リストだけで、こうした問いに答えられることはまずありません。クライアントは、私たちがビジネス上の課題を理解し、それを説得力のあるサーチに落とし込めると確信できなければなりません。
その過程で、タレントアクイジションは大切なパートナーになり得ます。経営層とのビジネスの話と採用プロセスはつながっている必要があり、両者の間で役に立つ情報がきちんと行き来していなければなりません。
候補者にポジションの中身を理解してもらう必要がある
シニアのポジションがどんな機会なのかは、非常に優秀な候補者にとっても、すぐにわかるとは限りません。私たちの仕事は、そのポジションに求められる役割を正確に説明し、自分の能力や志向がそれに合っているかどうかを候補者が判断できるよう手助けすることです。
そこには魅力的な部分も、難しい部分も含まれます。スタート時点の状況、本社からの期待、引き継ぐチーム、使えるリソース、そして本人が引き受けることになるリスクです。
ポジションを「売り込む」というのは、その人にとってなぜこの機会が意味を持ち得るのかを理解してもらうことであるべきです。正直に答えるべき懸念があるのに、言いくるめて先に進めることであってはいけません。
CVを送るのは、小さな一歩にすぎません。根拠を確かめ、推薦をまとめ、プロセスの勢いを保ち、双方が十分な情報をもとに判断できるよう支えることも、この仕事に含まれます。
AIが量で勝負するモデルに圧力をかけると考える理由
私は、今後3、4年のうちに、定型的で量に頼るリクルーティングの仕事のかなりの部分をAIが担うようになると考えています。これは私の予想であり、決まったスケジュールではありません。
私たちはすでに、私の知識と仕事の進め方を自社のTalentHubプラットフォームに組み込んでいます。AIがリサーチを支え、情報を整理し、これまでリクルーターがかなりの時間をかけていた資料を準備できる余地は大きいと感じています。
動ける人のプロフィールを探してCVを転送することが中心のサービスは、差別化が難しくなっていくと私は思います。より大事なのは、リクルーターがどんな判断力、ビジネスの理解、責任を上乗せできるかという問いです。
エグゼクティブサーチも変わっていきます。情報源を確認し、出てきた結果を鵜呑みにせず、自分たちのやり方を改善し続けなければなりません。私が目指しているのは、力のあるリクルーターにより強力なツールを渡しながら、クライアントに信頼されるアドバイザーとしての力も伸ばしていくことです。
コンティンジェンシーのリクルーターに次に学んでほしいこと
求人の背景にあるビジネスを学ぶ。クライアントの顧客、ビジネスモデル、競争上の立ち位置、そして採用する理由を理解しましょう。
経営層と話す練習をする。目指す成果やトレードオフについて質問し、返ってきた答えについて話し合えるよう準備して臨みましょう。
根拠に基づいた推薦をつくる。なぜその人が合うのか、何がまだわからないのか、何を確かめるべきかを説明しましょう。
機会を正直に伝える。候補者が、ポジションの役割と、それに対して自分の準備ができているかの両方を見極められるよう手助けしましょう。
意味のある進捗を測る。行動量は大切ですが、その行動で理解が深まるか、サーチが前に進むものである必要があります。
RGFの2人は、努力と野心に仕事への深い理解が加わると何が起こるかを見せてくれました。私がわくわくするのはそういう成長であり、私がつくりたいのもそういうエグゼクティブサーチの会社です。
私がリクルーターの案件獲得と遂行をどう支えているかは、こちらの記事で書いています。
私がリクルーターに求める基準は、この記事にまとめています。
こうした方向にキャリアを進めたいと考えているなら、ぜひお話ししましょう(英語)。
執筆:マレー・クラーク(英語)、Aspiring Partners 創業パートナー
優れたリクルーターへと成長できる仕事
私が探しているのは、ただ仕事があればいいという人ではなく、それ以上のものを求めるリクルーターです。成功し、この仕事の腕を磨いていける役割、つまり挑戦があり、判断力が鍛えられ、人生を確かに良くしてくれる仕事を求めている人に来てほしいと思っています。
生活のために稼ぐことはもちろん大切です。そのうえで私が惹かれるのは、学びたい、責任を引き受けたい、誇れるキャリアを築きたいという意欲です。そういうものを求めているなら、ぜひ連絡をください。私たちがつくっているものも見てみてください。