営業責任者の職務経歴書:プレスリリースで実績を裏付ける
プレスリリースに自分の名前が載っていなくても、職務経歴書に書いた受注実績を裏付ける資料として活用できます。大切なのは、公表された事業成果と、その中で自分が果たした役割を分けて説明することです。
私は、初めてカントリーマネジャーになる方、経験豊富な日本事業責任者、そして将来その役割を目指す営業責任者とお会いしています。候補者の職務経歴書でよく見かけるのが、大きな実績は書かれているのに、それを確認できる公開情報へのリンクがない、という点です。これは比較的簡単に改善できます。
受注は公表されていた。本人の貢献は、説明が必要だった
先日、サービスプロバイダー・通信事業者向けの部門を率いる、あるエンタープライズ営業責任者にお会いしました。大きな受注をいくつも経験されており、どのように獲得したのか、詳しく伺いました。
その後、私が調べると、該当する顧客について会社のプレスリリースが見つかりました。いずれも、この方が担当していたアカウントです。ただし、発表に出ていたのは社長の名前で、本人の名前はありませんでした。
それ自体は珍しいことではありません。社長が会社を代表してコメントするのは自然です。だからといって、営業責任者の貢献がなくなるわけではありません。当社がクライアント向けの候補者プロフィールを作成する際には、関連する発表へのリンクを載せ、そのアカウントで本人が担っていた責任を説明しました。
プレスリリースが裏付けるのは、会社が公表した事業成果です。本人の担当範囲や貢献は、面談で確認しました。この二つは別の情報であり、プロフィールでも区別して示す必要があります。
成果へのリンクと、自分の役割を併記する
会社や顧客による、日付のある発表にたどり着ければ、職務経歴書の実績は読み手にとって評価しやすくなります。ただし、プレスリリースだけで、誰が案件を開拓し、商談を主導し、すべての仕事を担ったかまで証明できるわけではありません。
リンクの横には、アカウントの担当、営業戦略、経営層との関係づくり、交渉、チームの統括など、自分が責任を持っていた部分を書きましょう。同僚やパートナーの貢献も正当に認めることが大切です。成果をすべて自分のものとして語るより、役割を正確に説明する方が説得力があります。
例えば、次のような書き方ができます。
[顧客・アカウント名]を担当する営業チームを率い、[自分の具体的な貢献]を担当。[日付]に、会社が[公表された成果]を発表。関連資料:会社または顧客の発表へのリンク。
これは記載例であり、実在する候補者の実績ではありません。括弧内は、説明できる事実に置き換えてください。金額は開示が認められている場合だけ記載し、契約総額なのか、年間売上なのか、別の指標なのかを明確にします。
転職を考える前から、実績の資料を残しておく
次の転職活動が始まってから、過去10年の実績を一から調べ直す必要はありません。重要な成果ごとに、次の情報を整理しておきましょう。
公開資料:会社や顧客の発表、タイトル、公表日、元のURL。
自分の責任:担当アカウント、率いたチーム、自分が下した判断。
成果:実際に何を達成したのか。対象期間と指標の定義も明確にする。
確認できる人:貢献を説明できる上司、同僚、顧客。リファレンスが必要な際には、適切な手順で協力を依頼する。
第三者の報道、顧客事例、公開された講演資料なども、有用な補足になります。リンクが変わることもあるので、保存が認められた資料は手元に残し、共有するURLを更新しましょう。顧客の機密情報や社内資料を、公開用の実績資料に混ぜてはいけません。
重要な成果を発信するために、営業も動く
成果の公表は、個人のキャリアだけでなく、事業にも役立ちます。顧客やパートナーが、その会社の実行力を判断する材料になるからです。
マーケティング部門の人手が足りないなら、重要な受注について社長やマーケティング責任者に相談し、顧客事例として発信することを提案しましょう。アカウントの背景、成果、公開に必要な承認者を整理することで、営業側も協力できます。アカウント担当者、マーケティングチーム、顧客の経営陣や広報担当者と連携してください。
目的は、正確で役立つ情報を事業として発信することです。顧客の同意、会社の承認、守秘義務を優先します。すべての受注を発表できるわけではありませんし、発表すべきとも限りません。
営業責任者には、営業責任者なりの実績の伝え方がある
現職のカントリーマネジャーは、営業責任者よりもメディアでコメントする機会が多いでしょう。それは役割の違いです。営業責任者の実績に、裏付けが不要ということではありません。
すべての発表に自分の名前が載っている必要はありません。必要なのは、成果を確認できる資料と、自分の貢献についての信頼できる説明です。公表できない案件については、その制約を説明し、適切な非公開のリファレンスで補います。プレスリリースがないことと、実績がないことは同じではありません。
当社は、裏付けと評価を分けてクライアントに伝える
当社のExecutive Profileでは、職務経歴書、関連する公開情報、採用要件に照らした評価をまとめています。どの実績が資料で確認でき、何をリファレンスで確かめるべきか、そしてその経験が今回の役割にどう関係するかを、クライアントが理解しやすくするためです。
Taro Tanakaの候補者プロフィール・サンプルを見る →
Taro Tanakaは架空のデモ用プロフィールです。紹介方法を示すもので、実在する候補者の経歴ではありません。サンプル内のメディア記事や発表も架空です。
次のキャリアを考える前に、職務経歴書の主な実績を見直してみてください。公開情報へのリンクと、自分が果たした役割の簡潔で正確な説明を添えましょう。サーチ会社や将来の雇用主が、あなたの経験を理解しやすくなります。
執筆:マレー・クラーク / Aspiring Partners 創業パートナー。日本のエグゼクティブサーチで20年以上、エンタープライズ・テクノロジー企業の幹部採用に携わっています。
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