カントリーマネジャーになる前に、確認しておきたいこと

執筆:マレー・クラーク / Aspiring Partners 創業パートナー。日本で20年以上、テクノロジー企業の幹部採用に携わり、自らも事業の立ち上げ、COO・CEO、取締役、株式保有を経験してきました。

肩書だけでは、仕事の中身は分からない

カントリーマネジャーを目指す気持ちは、私もよく理解できます。ただ、同じ肩書でも、日本で最初の顧客を開拓する仕事と、既存の組織を立て直す仕事では、求められる経験が違います。日本法人全体を率いる場合も、実質的には営業責任者に近い場合もあります。

私は事業を立ち上げ、COO、CEOとして責任を担った経験から、「採用されるか」と同じくらい、「この条件で成果を出せるか」を考えていただきたいと思っています。

なぜ今、採用するのか

「日本事業を成長させたい」だけでは、採用の背景はまだ十分に分かりません。新規顧客の獲得、パートナーの開拓、組織の立て直し、既存顧客の維持。どこに課題があるのでしょうか。

前任者がいた場合は、退任の理由や引き継ぎの方針も、説明できる範囲で確認しましょう。誰かを批判するためではなく、自分が引き受ける状況を理解するためです。

期待と、使える資源を照らし合わせる

最初の6か月、12か月で何を期待されるのか。その成果を支える顧客基盤、案件、採用予算、マーケティング、技術支援はどの程度あるのかを確認します。

採用、価格、投資、組織変更について、自分で何を決められるのかも大切です。承認済みの予算と、これから申請する計画を混同しないようにしてください。すべてが整っている必要はありませんが、不確実な点は互いに認識しておく必要があります。

本社との関係も、役割の一部

APACや本社は、日本市場についてどんな前提を持っているのでしょうか。顧客の意思決定、パートナーの役割、成長に必要な時間について、認識をすり合わせます。

WorkBrain JapanでNaoki Iwamitsuさん、Morimoto Kazunariさんやチームから学んだのは、事業を理解するには人との関係も見る必要があるということでした。現地の現実を、本社が判断できる形で説明するのもカントリーマネジャーの仕事です。

面接相手に合わせて、確認事項を整理する

人事・TAとの最初の面談では、経歴、動機、条件、選考の進め方を明確にします。採用に影響を持つ関係者とは、協働の仕方を確認します。技術面の面談では、製品と顧客課題への理解がどこまで必要かを考えます。最終決裁者とは、事業の優先順位、期待する成果、任せる責任について話します。

相手の肩書だけで役割を決めつけず、その人が今回の採用で何を判断するのかを確認してください。選考は、候補者が会社を理解する機会でもあります。

ブリーフィングページとAIを、準備に使う

当社のClient Briefing Pageは、クライアントの事業、採用背景、機会と課題を理解するための出発点です。求人票を読んだだけで面接に入るより、具体的な対話ができるようにしたいと考えています。

AIには、資料をもとに自分の経験との接点を整理したり、面接相手ごとの質問を考えたりする使い方があります。例えば「このブリーフをもとに、APAC責任者に確認すべき権限と資源の質問を整理して」と依頼できます。資料にない答えは、作らせずに確認事項として残します。機密情報は、会社や当社が認めた環境と取り扱いの範囲で扱ってください。

難しさを理解して、引き受ける

良い機会は、必ずしも簡単な仕事ではありません。自分の経験がどこで役立つか、何を学ぶ必要があるか、どんな支援が必要かを理解したうえで、引き受けたいと思える仕事です。肩書と一緒に、その責任を選んでください。

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